STP分析とは、市場を顧客の属性やニーズ、購買行動などの側面から細分化し、自社にとって魅力的な市場セグメントをターゲットとして選定し、そのターゲットに対して自社商品・サービスをどのように差別化していくかをポジショニングするフレームワークです。
STP分析は、アメリカのマーケティング学者フィリップ・コトラー氏によって提唱されました。
STP分析のそれぞれのステップは以下の通りです。
1. セグメンテーション(Segmentation)
市場を顧客の属性やニーズ、購買行動などの側面から細分化します。
セグメンテーションに 用いられる代表的な指標は以下の通りです。
- 人口統計指標
- 年齢、性別、家族構成、収入、教育レベル、職業など
- 地理指標
- 居住地域、都市規模、気候など
- 心理統計指標
- ライフスタイル、価値観、パーソナリティ、興味・関心など
- 行動指標
- 購買量、購買頻度、購買方法、ブランドロイヤルティなど
2. ターゲティング(Targeting)
セグメンテーションで抽出された市場セグメントの中から、自社にとって魅力的なターゲット市場を選定します。
ターゲット市場 選定の 際には、以下の 点に 注意する必要があります。
- 市場規模
- ターゲット市場の規模が十分に大きいかどうかを検討する必要があります。
- 到達可能性
- 選定したターゲット市場に対して、自社の商品・サービスをどのようにアプローチしていくのかを検討する必要があります。
- 収益性
- ターゲット市場が十分に収益性があるかどうかを検討する必要があります。
3. ポジショニング(Positioning)
選定したターゲット市場 に対して、自社商品・サービスをどのように差別化していくかを ポジショニング します。
ポジショニング には、以下の ような 方法があります。
- 製品差別化
- 商品・サービスの機能、性能、品質、デザインなどで差別化する
- 価格差別化
- 競合商品よりも低価格で商品・サービスを提供する
- チャネル差別化
- 独自の販売チャネルを構築する
- イメージ差別化
- ブランドイメージを構築する
STP分析は、マーケティング戦略を策定・実行する際に非常に重要なフレームワークです。
STP分析を 活用することで、 より 効果的な マーケティング施策を 立案することが 可能になります。
以下は、STP分析を 活用した 具体的な 事例です。
事例:化粧品メーカー
ターゲット市場:20代~30代の働く女性
ポジショニング:自然派で肌に優しい化粧品
施策:
- 天然素材を使った化粧品の開発
- ドラッグストアではなく、百貨店やコスメショップでの販売
- ナチュラルなイメージの広告・宣伝活動
この 事例のように、 STP分析を 活用することで、 自社の商品・サービスを 適切な 顧客に 訴求 することが 可能になり、 売上 向上 につながります。