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「理念はあるのに変わらない企業」の共通点【代表ブログ】

株式会社白河グループ河野です!

本日は、行動変容スペシャリストが見て、企業が変わらない本当の原因について解説していきます。

まず人は自分で「考えて決めている」と信じています。

しかし、企業のブランド戦略に関わっていると、実際には意思決定の大半が直感と習慣に任されているという現実に何度も出会います。経営者であっても例外ではありません。私自身、行動経済学を学ぶ前までは、「論理的に判断しているつもり」という錯覚に気づかずにいました。

ところが、企業のブランドづくりを支援するなかで最も痛感したのは、企業の判断も、そこで働く個人の判断も、人間である以上すべてバイアスの影響を受けているという事実です。

正しい戦略より安心できる選択を取りがちですし、本質的に必要な変革より前例のあるやり方が選ばれることが圧倒的に多い。これは意志の弱さではなく、人間の脳がそう作られているからです。

行動経済学は、その不合理さが例外ではなく規則であることを教えてくれます。
そして、私は企業のブランド戦略にこの視点を取り入れないことは致命的だと考えています。

たとえば、どれだけ素晴らしい理念を掲げても、社員が日々の意思決定を損失回避や現状維持で選ぶなら、ブランドは外に伝わりません。ブランドの一貫性は行動の積み重ねでしか作れない以上、行動の仕組みを理解しないブランド戦略は、正直、砂上の楼閣です。

実際、私が支援した企業でも「メッセージは整っているのに浸透しない」というケースがありました。

その原因は、理念ではなく行動設計にありました。会議の進め方、報酬や評価の仕組み、日常のコミュニケーション。そこに、行動科学的に見れば変わらない仕組みが揃っていたのです。

逆に、環境と選択肢の設計を変えただけで、社員の行動が自然にブランドの方向へそろい始めた例も多くあります。

行動変容とは、決して「頑張る」「意識する」ではありません。
人の弱さを前提にしたうえで、変わらざるを得ない仕組みを作ることです。

これはブランドづくりでも同じです。
ブランドはメッセージでも、デザインでもなく、人の行動の一貫性で決まります。

だからこそ私は、クライアント企業に対して「ブランド=行動である」という前提で向き合います。
理念を掲げるだけでは、人は動きません。
綺麗なスローガンを作っても、環境が変わらなければ行動は変わりません。
そして行動が変わらなければ、ブランドは絶対に強くならない。

行動経済学は、人は不合理だが、予測可能であるという厳しい事実を示します。
しかし同時に、予測できるからこそ、行動をデザインできるという希望もくれます。

企業が本気でブランドを強くしたいのであれば、まずは「人は合理的に動く」という幻想を捨てることです。正しいメッセージを考える前に、「人が実際にどのように選び、どのように動いてしまうのか」を理解する必要があります。その視点が整った瞬間、ブランド戦略はまったく別の次元に変わります。

完璧な人間はいません。
しかし、弱さを理解した企業は強くなります。
それこそが、私が行動経済学をブランド戦略に欠かせないものとして扱っている理由です。

株式会社白河グループ/代表取締役 河野牧人

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